National Foundation Day Vietnam

9月2日はベトナムの建国記念日。
以前も書いたが、ベトナムの建国と日本とは密接な関係がある。
もともとベトナムはフランスの植民地だったが、第2次世界大戦においてフランスがドイツに負けたことで、フランスは東南アジアから撤退し、代わりにドイツと同盟国であった日本がベトナムを統治することになる。
その日本も第2次世界大戦に敗戦し8月15日にポツダム宣言を受諾、ベトナムが無政府状態となったのを受け、翌16日、ホー・チ・ミンはベトナム8月革命を決起しベトナム全土を掌握していった。
日本が第2次世界大戦の停戦に正式に署名した9月2日、ホー・チ・ミンはハノイにてベトナム独立宣言を発表、ベトナム民主共和国を建国して国家主席兼首相に就任した。

この日、ホー・チ・ミンが読み上げたベトナム独立宣言の中にこのような一文がある。
「Sự thật là dân ta lấy lại nước Việt Nam từ tay Nhật, chứ không phải từ tay Pháp.」
我々はフランスからではなく、日本から我々の独立を取り戻した・・・。

ここで話を終わらせると日本はベトナムの天敵のように思われるが、日本とベトナムの関係には後日談がある。
第2次世界大戦後の統治計画策定の中で、連合国はフランスのインドシナ主権を認め、それをきっかけにフランスとベトナムのインドシナ戦争が勃発する。
その時に戦闘指揮を実施したのが第2次世界大戦でのベトナム残留日本兵であり、結果としてベトナムはフランスとの戦いに勝利し、ジュネーブ協定でベトナム民主共和国（北ベトナム）の独立が承認された。
つまり、日本はベトナム独立宣言後はその独立を助けたことになる。
ただ、ジュネーブ協定の中にはベトナムを南北に分断する軍事境界線も明示されており、この後ベトナムの南北間での戦争が勃発、南ベトナムを支援していたアメリカ軍と北ベトナム軍との戦いであるベトナム戦争へと歴史は流れていく。