ICO創立13周年、おめでとうございます。
私は2014年にICOに入社しましたが、約7年という長い月日をベトナムで過ごせた1番の要因は、ICOの皆様に日々助けて頂き、家族のように接していただいたおかげだと感謝しています。今後も日本との良好な関係を維持するための窓口としての役割を遂行することで、私なりの恩返しをさせていただきます。
共に次の15周年、20周年を迎えましょう。
ありがとうございました。
2021年4月29日 Hitoshi Mukai
と、公式の祝辞を述べたのだが、以下に本音も述べておく。
ICOに入社して一番感じたことは日本とベトナムの仕事のやり方の違いです。
日本は時間管理と報告・連絡・相談には非常に厳格な国で、これ無くして仕事は出来ません。
それぞれの役割と責任分担を明確にし会議で決められた事は必ず守る、責任は各部の長にありますが、すべての責任は社長が負います。
PDCA(Plan-Do-Check-Action)を徹底し、日々KAIZEN活動を実施しています。
トラブル発生時はAction会議が実施され、再演防止を図ります。
会議での決定事項は議事録として記録され、会議に出席していない社員には議事録で情報共有されます。
これらすべては入社1年目の新入社員が最初に叩き込まれる知識です。
仕事は仕事、それ以外はプライベートの時間と割り切る社員が多いのも日本の特徴です。
一方、ベトナムはというと、仕事のやり方は非常に緩いと思います。
時間管理にルーズで、少々の遅刻でも許される。
計画を立て、誰が何をいつまでにどうするという点の認識が甘く、締め切り日を迎えても達成出来ていないことがしばしばある。
良い知らせはすぐ報告するが、悪い知らせはぎりぎりまで報告しない。
社員の行動の可視化が出来ておらず、特に外回りの多い部門では社員が何をしているのか誰も把握出来ていない。
こういった仕事のやり方による取りこぼしも多いのですが、そこには目を向けず成功事例だけを見るという、楽観的な部分が多分に見受けられます。
打たれ強い、というか、打たれている事に気づいていないのだと思います。
と、業務遂行の面ではまだまだ弱い所が満載ですが、社員の関係はアットホームで良好だと感じています。
私がベトナムに来た当初、ベトナム酒に酔っ払ってかばんを失くしたことがありました。
翌朝、そのことを事務所で話すと、社員全員が仕事そっちのけで探してくれ、奇跡的に見つかりました。
仕事を差し置き、個人のかばん探しをする・・こんなことは日本ではありえません。
このときはかばんが見つかったことよりも、この行動に感動しました。
仕事に厳しい分、それを実施する人にも厳しいのが日本、仕事は緩い分、人を思う気持ちが強いのがベトナムだと思います。
私には長年の日本での仕事のやり方が染み付いており、ベトナムの仕事のやり方との違いに仕事面では日々ストレスを抱えており、時には強い口調でスタッフを叱咤したこともあります。
私の役割が日本との窓口ということもあり、ベトナム方式では日本に通用しないことがわかっていたからです。
ただ、時々ふっと思うことがあります。
ベトナム方式を踏襲していくほうが、社員は幸せなんじゃないだろうか?
郷に入れば郷に従うことで自分もストレスを感じなくなるんじゃないだろうか?
日本、ベトナム、どちらのやり方が社員にとって幸せかどうかは私には良くわかりません。
が、ベトナム方式を踏襲することは、実は私にとってはストレス解消にはなりません。
仕事に対して「無責任」なように感じるからです。
幸いにして私が直接管理する部のうち、国際部は日本と直接対応する部門であり、日本相手の仕事のやり方を理解してくれており、改善にも取り組んでくれています。
教育部、訓練部は、日本の厳しさは理解しているので、後は既存の殻を破り新たな事にチャレンジする必要があります。
この点は、折に触れ伝えていくしかないのでしょうね。
私がこの先ICOの15周年、20周年を見届けることが出来るのかどうかはわかりません。
もしかしたら今年帰国するかもしれないし、永住するのかもしれません。
ただ、今年の念頭に立てた目標である、「1日1日を大切にしていく」ことを実行していく事で、ひいてはICOの事業にも貢献しなんらかのプレゼントが出来ればと思っています。
Yesterday is history, tomorrow is a mistery, today is a gift, that's whay it is called the present!!!