2020年1月8日水曜日

about traffic rules

最近、ベトナム人に関する面白い記事を見た。
「ベトナム人は交通ルールを守らない。一方通行だからといって安心していると向こうからバイクが走ってきた、といったことは日常茶飯事とのこと」と書かれていた。
これは当たってる。

俺がベトナムに来て1年目の時、一方通行の道を横切るのに、片方だけを注意していたら、来るはずのない方向からのバイクに当て逃げされた。
また、ハノイでのラッシュ時は歩道を平気で走るバイクや、高速道路を逆走してくるバイク、時速80Kmで行き来している中を横断しようとするつわもの等を多々見てきたので、記事の前半部分、「一方通行の反対からバイクが来る」件には激しく同意。

ただ、冒頭の「ベトナム人は交通ルールを守らない」については少しニュアンスが違う。
交通ルールに関して言えば「守らない」のではなく「知らない」のがベトナム人なのだ。
日本でいうところの原付自転車に相当する電気バイクは年齢に関係なく無免許で乗れるので、小学生が原付バイクで二人乗りをしている姿などは至るところで見ることが出来る。
無免許で乗れるので、当然交通ルールなど勉強していない。
ガソリンで動くバイクは免許が必要だが、驚くことに免許が無いままバイクを運転している輩が多々いることも事実。
ハノイでバイクに乗っている欧米人などはほとんどが免許を持っていないだろう。
ベトナムは世界的な道路交通に関するジュネーブ条約に加盟していないので、国際免許が効かない。(ワークパーミットの期限内において運転免許の書き替え制度はあるが)
よってたいていの外国人は無免許でバイクを乗り回していることになる。
かくいう俺もかつては会長にもらったバイクで無免許で走り回ってた。
捕まったら日本語でまくし立てると警官が諦める、それでも無理なときはUnder The Tableがまかり通るので、それでやり過ごしてた。
最近は交通ルールも厳しくなり、専らベトナム人の友人の後部席が定位置になったが・・。
免許を取る際の学科試験もお金で解決出来るのがベトナム。
結構難しい試験のようだが裏口があるので「免許を持っている=交通ルールを知っている」にはならない。
詰めるだけの荷物を積み、結果後方確認が出来ないバイク、後部座席で二人の赤ん坊を両手に抱いているバイク、たまにいる5人乗りのバイク、ノーヘルのバイク、どう見ても強度に欠けるヘルメットを被っているバイク・・・バイクだけで面白写真集が出来そうな国、それがベトナム。

前述の記事の締めくくりの一文は、「果たしてベトナム人に、モラルを理解する日は来るのでしょうか」
これも前提を1つ飛び越えたような印象を受ける。
ルールを理解出来ていない相手にモラルを説いても無理がある。
そこを理解しておかなければ異邦人がベトナムに長く住むことは出来ない。

総じて批判的に見える文となってしまったが、俺の本音は少し違う。
一見秩序が無さそうで自分勝手に道路を走り回る交通が成り立っている背景には、人に対する思いやりがあるから。
クラクションは威圧するものではなく、注意を促すもの。横道から飛び出してくるのは、直進者が日本のようなスピードで走っていないから。少々ぶつかろうが命に別状がなければそのまま済ますおおらかな部分・・・
こういうアバウトさが俺に合っている部分もある。
かつての日本の古き良き時代ってこんなんだったんじゃないだろうか。

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