仕事を終え、ホテルに荷物を置いた後、ロビー横に併設された郷土料理店で同行者のKienと軽く呑んだ。
カウンターにはKienと俺、隅には40代と思われるサラリーマンが1人。
Kienの方を向いて話すと、サラリーマンが自然と俺の視野に入る。
1人で店に入るのが苦手な俺には、小鍋をつつきながら焼酎のお湯割りを味わっているサラリーマンの心理が気になるところ。
一人鍋か、やるな、お主、俺には到底無理だ。強いね、旦那!…
そんな事を考えつつもKienとの話が盛り上がり、いつしかこのリーマンのことも俺の意識の中で一つの風景と化した。
小一時間ほど経ち、何気にリーマンに焦点を合わせてみると、酔ったのか、片肘をついて眠ってる。と、彼の目から涙がこぼれた。一滴、二滴、三滴…
ナンテコッタ……
俺が勝手にイメージした、無頼漢のイメージが一気に消え去り、悲哀だけが残った。
改めて思った。俺には一人鍋は無理だ。
改めて思った。俺には一人鍋は無理だ。
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